TY-house

東京都/江東区/2021年1月竣工

有明のタワーマンションのリノベーションです。

「子育て×仕事」が愉しめる空間をコンセプトとし、LDKとファミリールームが一体となったワンルームのような生活空間を提案しました。

Photo by:TSUTOMU MURAYAMA
Photo by:TSUTOMU MURAYAMA

コロナ禍の影響で私たちの暮らしも大きく変わってきました。そして、働き方も大きく変わってきました。

既存の間仕切り壁を撤去し、キッチンカウンターを中心とした、大きなワンルームを提案しました。

クライアント様夫妻は共に、自宅を中心に働くワークスタイルを取られていました。

家の中で閉鎖的に仕事をするシーンではなく、家の中のどこにいても仕事ができる空間を目指しました。そして、必要に応じて来客や会議に対応できるワークルームを独立して計画することで、仕事の重要度に応じて居場所を切り替え、集中度を高める計画としました。

クライアント様は私と同じ、2児の子どもを持つ子育て世代。子どもと互いに生活し、成長する一つの提案として、みんなで寝ることを提案しました。

これは、家族ごとに方針が異なると思いますが、ベッド空間の暮らしは、寝室を独立して計画する必要があり、子どもが小さい時期の稼働率は著しく低下します。それならば、就寝時には布団を敷くライフスタイルにチェンジし、寝室の空間をファミリールームとして、子どもの学習空間と趣味の空間に変容させる提案をしました。

Photo by:TSUTOMU MURAYAMA
Photo by:TSUTOMU MURAYAMA

室を分ける間仕切り壁はつくらず、最小限の収納で空間を仕切る計画としました。(写真はファミリールーム。白の壁は収納ユニット)

単調で無機質なワンルームにならない様、あたたかいオークの無垢材や無機質な白の建具、やわらかいパステルカラーの壁紙、冷たく美しいタイルなどの異素材を組み合わせて、視線や触覚に変化を与える計画としました。

特に無垢床材は、サンプルを多く取り寄せ、クライアント様とショールームに出向き、色や手触りを確かめて採用を検討しました。(写真はE-KENZAI様ショールーム)

私のこだわりテーマのひとつが、玄関からの「視線の抜け」です。

家に帰ったときの、玄関の閉塞感は、家の外の息苦しさをそのまま家に持ち込んでしまいそうで、身体的・精神的な疲労を継続させてしまうと考えています。しかし、天井を既存より高くしたり、全体の面積の何割かを玄関に与えることは物理的に不可能なため、廊下を間仕切る建具を撤去し、キッチンやファミリールームと緩やかにつなぐことで、様々な方向への「視線の抜け」を確保する計画としました。

また、5年後の暮らし、10年後の暮らしへの思いをクライアント様と話し合い、将来の子ども部屋への改修、棲み分け、事務所としての利用も容易にできることを前提として、マンションのリノベーションの可能性を、クライアント様とともに深く模索した計画となりました。

▲初めに提案した、キッチンカウンターを中心としたワンルームの提案が上記のCG。

▲上記が、竣工写真です。
クライアント様とともに、暮らしと子育てへのイメージを共有しながら、つくり上げた空間です。

ちなみに、キッチンカウンターのタイルは、名古屋モザイクさんのクロジョーロ。

東京と大阪のショールームを見て、採用を決定しました。何とも言えない深い輝きが美しいですよね。

キッチンカウンター奥が、ワークルーム。(将来の夫婦の主寝室)

子育てと仕事を愉しめる、フレキシブルな居場所をクライアント様とともにつくりあげました。

コスト管理も含め、CGでいくつも見える化し、デザインと金額を比較しながら設計を進めていきました。そして、zoomでの打ち合わせを密に重ね、設計内容の合意プロセスも丁寧に完遂できた案件でもあります。

クライアント様から設計・監理者へのご配慮・ご理解を頂き、愉しく設計を行わせていただきました仕事でもあります。

私もクライアント様と一緒の2児の父。常に子育てと仕事に奮闘してる妻、台風のごとく家を荒らす子どもを見つめて、自分自身と照らし合わせて設計をしていたのかもしれません。

最後に、今回施工をしていただきました、株式会社巧匠建設の社長様、現場監督様、タイトなスケジュールの中、VE検討や工程検討で非常に親身になっていただき誠にありがとうございました。